元偏差値40

誰のためでもない自分のためだけの記録

時計の針は進まない

過去を振り返るときがある。

 

何十回、何百回と繰り返される記憶の反芻。

 

上手くいかない現実から目を背けて、戻らぬ過去に想いを馳せる。

 

 

小学生のとき、「いつかは大人になるんだろうな」とよく考えていた。

 

こうして授業を受けるのも、クラスのみんなに会えるのも、子供として扱われるのもあと何年だ、と物想いにふける少年だった。

 

中学生、高校生、そして大学生。

 

あっという間のときが過ぎた。

 

この時間の間に多くの経験をし、後悔を生んだ。

 

人生は後悔ばかり。

何もかも手遅れで、「ああすれば良かった」と悔やむ毎日。

 

同時に、楽しかったあの頃を思い出す。

 

友達との悪ふざけ、放課後の雑談、休日は背伸びして遠出してみたり。

刺激と新鮮にあふれた素晴らしい毎日。

 

自由な大学生活。

とあるゲームに熱中した四年前、毎日がお祭り騒ぎで楽しかった。

 

友人も多くできた。

心から趣味に熱中していた。

 

 

いつからこんなに人生がつまらなくなってしまったんだろう。

友達も、趣味も、私にはない。

 

残されたのは哀しい学歴コンプレックスと、死ぬまでの労働懲役。

 

人生をよくするためにいろんなことを頑張ろうとした。

プログラミング、資格勉強、あらゆることに手を出した。

 

私の人生、どうなってしまうのだろうか。

私は何を求めているのだろうか。

 

未来のことなんて考えたくない。

将来なんてどうでもいい。

 

幸せを返してください。

何気ない日常を、友達を、趣味を、全てを逆戻りさせて欲しい。

 

 

 

自分の中の時計の針が、あの頃のまま止まってしまっていることに気づいた。

そして、動かすつもりがないことも。

 

何度も何度も過去のシーンに逆戻りする。

当時とは正反対の完璧な自分を思い浮かべ、より上手くいった人生を妄想する。

 

もし、人生をやり直せるとしたら…。

 

過去にとらわれ、過去にすがり、過去を求める。

前を向けない人間に新しい道は開かれない。