過去を振り返るときがある。
何十回、何百回と繰り返される記憶の反芻。
上手くいかない現実から目を背けて、戻らぬ過去に想いを馳せる。
小学生のとき、「いつかは大人になるんだろうな」とよく考えていた。
こうして授業を受けるのも、クラスのみんなに会えるのも、子供として扱われるのもあと何年だ、と物想いにふける少年だった。
中学生、高校生、そして大学生。
あっという間のときが過ぎた。
この時間の間に多くの経験をし、後悔を生んだ。
人生は後悔ばかり。
何もかも手遅れで、「ああすれば良かった」と悔やむ毎日。
同時に、楽しかったあの頃を思い出す。
友達との悪ふざけ、放課後の雑談、休日は背伸びして遠出してみたり。
刺激と新鮮にあふれた素晴らしい毎日。
自由な大学生活。
とあるゲームに熱中した四年前、毎日がお祭り騒ぎで楽しかった。
友人も多くできた。
心から趣味に熱中していた。
いつからこんなに人生がつまらなくなってしまったんだろう。
友達も、趣味も、私にはない。
残されたのは哀しい学歴コンプレックスと、死ぬまでの労働懲役。
人生をよくするためにいろんなことを頑張ろうとした。
プログラミング、資格勉強、あらゆることに手を出した。
私の人生、どうなってしまうのだろうか。
私は何を求めているのだろうか。
未来のことなんて考えたくない。
将来なんてどうでもいい。
幸せを返してください。
何気ない日常を、友達を、趣味を、全てを逆戻りさせて欲しい。
自分の中の時計の針が、あの頃のまま止まってしまっていることに気づいた。
そして、動かすつもりがないことも。
何度も何度も過去のシーンに逆戻りする。
当時とは正反対の完璧な自分を思い浮かべ、より上手くいった人生を妄想する。
もし、人生をやり直せるとしたら…。
過去にとらわれ、過去にすがり、過去を求める。
前を向けない人間に新しい道は開かれない。